おくどさんと筍、そして農具

散歩してたら古民家を開放しているところを見つけた。
屋根が藁葺きで日の当たらない北側は苔むしていて、
家の中に入ると土間があってところどころ三和土が
凹んでいるのは人がたくさん踏み固めたからだろう。
土間の隅には竈があって、祖母の家にあったおくどさん
を思い出す。火迺要慎のお札が貼ってあったりして、
僕が小さかった頃は現役でもくもく煙を上げていた。


お正月にはおくどさんで一升とか升単位で餅米を蒸して
それをついてお餅を作ってたくさん家に持って帰った。
お祖母ちゃんは、九のつく日はうさぎさんが餅つきを
する日だからその日は餅をついてはいけないと言った。
そのおくどさんの近くにはカマドウマがよく出没した。
名にし追はば竈のそばに棲める、後ろ足が長いウマ。


旧家の庭には竹藪があって、筍がにょっきり生えていた。


もうすぐ竹と呼ぶに相応しいほど伸びた筍もあって、
確かに身が固くなれば竹になれるのだと納得した。




家の脇に古い農具が置かれていて、唐箕や千歯こき、
あと名前がわからないけど、このベルトがぐるぐる
めぐってる機械のこのフォルムが何とも言えずよい。
このサーキットが回り、精米してた時代があるのだ。