2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

いつも少し前を見ている

何かの切れはしにメモしてあった言葉。 こんなことを書いたときに考えていたのは、 どんなときも時間的に振り返っているだけで、 少し過去の自分を見つめ続けるしかない、 といったようなつもりだったと思う。 でも違う意味にもとれる気がしてきた。 普通に…

ガールズファイル

柴崎友香の最新作である。前半はノンフィクション。 27人のはたらく女の子たちの報告書と副題にある通り、 インタビューで聞き出したお話をまとめたもの。 さまざまな職種の20〜30代の女の子たちの生の声。 恋からをもっとまじめにした感じとでも言うか。 Ha…

青色讃歌

文藝賞受賞作のもうひとつの方。 フリーターのしがない日々のつれづれ独白。 どちらかと言えば好きな文体に近いけれど、 まだまだこれからに期待したいところ。 ところどころ光るところがあったかもしれない。 傷口に石を押しあてる場面とか、ぞくっとした。…

肝心の子供

今年の文藝賞受賞作のひとつ。 ブッダにはラーフラ、束縛という名前の 息子がいた。 と始まる親子三代の偽史小説。 読む側の力量が問われるとは保坂和志の評。 そんなにすごいのかまだよくわからなかった。 それを認めるには時期尚早だと思ってしまった。 四…

バラ色の怪物

笹生陽子と笙野頼子をごっちゃにしていたことに 最近やっと気が付いた。 『ぼくは悪党になりたい』とか『楽園のつくりかた』や タイトルの作品はすべて前者の作品だったのだけれど、 全部後者の作家の作品だと思い込んでいた。 笹が生まれると竹が生まれるは…

存在の耐えられない軽さ

クンデラという作家は前々から気になっていた。 実際のところ、このタイトルに惹かれていた。 ずっと以前に一度図書館で借りたことがあったけど、 そのときは読まずにそっと返したような気がする。 ドンファンのトマーシュと妻のテレザ、愛人サビナ、 彼らを…

1973年のピンボール

村上春樹の初期三部作の中の第二作ということらしい。 鼠と呼ばれる青年と「僕」が主な登場人物の作品群。 僕は双子の女の子2人と暮らしている。 あんまりそっくりなので、区別がつかなくて困る。 右と左、どうと呼んでも大差ないのかも。 208、209と…

わたしたちに許された特別な時間の終わり

http://www.shinchosha.co.jp/books/html/304051.html 立ち読みしてみるべし。 5ページ分にもみたないくらいしかまだ読んでないけど、 こういう志向性がやけにしっくりくるのでおどろいた。 だらだら書いてるだけで大ッキライという人もたぶんいて、 そう感…

時間が流れる

言葉に託しすぎるのもいけないけれど、 言外のままいつか消えるよりかは。 読書の記録のいくつかを書いておく。

あまのじゃくにはなりたくない

自分が感じたことや考えてること、思ったこととか信じてることをちゃんと言おうとしても言えなくて、もどかしいにも程がある。ならば、と書こうとしても書けずにちっとも上手く行かなくて、もうなんでもいいから子どもみたいにじたばたとかしたい。それでど…

翻訳家はたいへん

昨日と今日はまじめに論文や解説記事を読んだ。 まるで学生にでもなった気分だ。 え、もともと学生だろって? いや、そうなんだけど…。 濃度が薄まれば薄まるほど、電離しやすくなるんだよ、 っていうのは弱酸のお話*1。氷酢酸は冬に凍るらしい。 濃度が薄ま…

爆発とそれから

研究室の忘年会が終わって風邪をひいて もうずいぶん経つのに一向に治らないし、 いろいろ不安もあって、気弱になっている。 ああ、これは何かの罰が当たったのかも。 とどのつまり、何が表現したかったんだっけ? と自問してみた。むだに考え続けた。 どう…

星ふるよるに

きのうのよる流れ星をみにいった みえるたびにちいさくおっ とこえにだしてみる 1こめと11こめがおおきかった どちらもみあげたしゅんかんに 12こめと13こめはいっしょにあらわれて オリオンをすばやくよこぎっていった きょうだいだったのかもしれな…

オリオン座の左下の

ここ1週間ちょっとの読書記録。 まず、12月1日(土)の夜。 『冬が来た日に』柴崎友香 2006年11月26日(日)日経新聞 35面 2007年7月7日(土)〜12月1日(土) 土曜日夕刊での柴崎友香の連載(21回分) 1年前に一度載った大きな記事ひとつと、 ここ半年くらいこつ…