2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

まなざしに対する横やり

哲学熱が冷めやらず、ハイデッガーの「存在と時間」を読む。 原語で取り組めれば無難なところを、ひ弱なので訳本に頼る。 二外はフランス語だったと胸を張っては言えないけれど、 少なくともドイツ語を選択しなかったという言い訳はある。 ヤイコが仏文の出…

いい時間といい場の相互作用

出掛けに重要なメールが来て、いろいろ調べたり読んだり 返事を書いていたら出遅れてしまったので、やや焦る。 駅まで早足で歩いてたら、先輩のTさんに自転車で追い抜かれ、 向こうでまた会おうねと言ってぴゅーっと去ってった。速っ。 電車に乗ったら汗が噴…

このインパクトはどこからくるか

養老孟司『かけがえのないもの』 「生老病死をなぜ嫌う」より 四人目の子どもを産んだという保険婦さんに大阪で会ったことがあります。 この人は、珍しく家で産んだそうです。家で産むには産婆さんを頼まなければいけない。 二万人以上取り上げたという八十…

おくどさんと筍、そして農具

散歩してたら古民家を開放しているところを見つけた。 屋根が藁葺きで日の当たらない北側は苔むしていて、 家の中に入ると土間があってところどころ三和土が 凹んでいるのは人がたくさん踏み固めたからだろう。 土間の隅には竈があって、祖母の家にあったお…

好きになるかどうかは選べない

中世ヨーロッパにおける商人の話術と商機について 考えていたら、いつのまにか外が明るくなっていた。 やらなきゃいけないことがあるせいで寝られないのと どうしてもやりたいことがあって寝られないのとは 似て非なるものであり、違いをよく知るべきだ。 つ…

これって懐かしいかたち

ファインマン・ダイアグラムっぽい。 同じ形が4か所についてたよ。えへ。 Dan Zahaviの"Subjectivity and Selfhood Investigating the First-Person Perspective" (MIT press) を注文してからもうずいぶんと経つのに 待てども暮らせども届かないのは変だな…

鏡のなかの泥棒

春樹のねじまき鳥クロニクルという作品の第一部は 泥棒かささぎ編と言うのだけれど、ついさっきになって どちらかと言えば、ロッシーニのオペラ、泥棒かささぎ の方が175年くらい時代的にも先行しているわけだし、 そちらこそ先に思い出されるべきなんじゃな…

いつもリズムを口ずさんでた

ブジャキを読み終わった。 最後の節はみんなで一文一文噛みしめつつ 代わり番こに大切に訳しながら読み進んだ。 脚注の小さい文字まできちんと読んだ。 フィナーレを迎えるころまでにはたしかに ブジャキのリズムに引き込(entrainment)まれ、 精巧な踊り(…

腕が散歩に行っている

すでにだれかが考えていることがすごすぎて、 先人たちに嫉妬する。なんで思いつけたんだよって。 でも彼らも知らなかったことが絶対にあるはずで、 巨人の肩に乗れてるのに贅沢なわがままを言わないで、 そこからだしぬけにジャンプして何かを掴み取りたい…

神は遊ぶ

遊ぶものは神である。神のみが、遊ぶことができた。 遊は絶対の自由と、ゆたかな創造の世界である。 それは神の世界に外ならない。 この神の世界にかかわるとき、人もともに遊ぶことができた。 白川静 『文字逍遙』 遊字論 のっけからこの勢いで始まる白川さ…

存在するための運動をいまと呼ぶ

肥大化した自己というのが単なる比喩ではなくて ボディイメージの話だとしたらネットをやってると 自分がどこまでも延長できるような気がしてしまう というのもひとつの例なのかもしれない。 そのときにひとつ新しい延長の仕方として 空間に閉じこめられずに…

木洩れ日は地図に載ってない

鄙びた場所にあるらしいと地図を見ながらやや困惑した。 歩くとちょっと距離があり、しかもルートは複数あって、 右左折ポイントの順を懇切丁寧に解説したものを見ても、 こんなにたくさんランドマークを憶えられそうにない。 それに、構内の地図がなかなか…

その名はシャガ

桜の終わった土手を歩いていたら白い花が咲き誇っていた。 その名をシャガと言うらしく、アヤメのなかまのようだ。 新緑の絨毯の上にくっきりした白が浮かび上がっている。 アヤメのなかま、アヤメ科アヤメ属は数が多く、 いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かき…

もちつけオレ、大人への道

気になる論文があったけど大学に所蔵してなかったので、 文献複写依頼を出そうかと思ったら、期限切れだった。 年度毎に申請を更新しないといけない上に、副指導教官の サインとはんこが必要なのでなかなか重い腰が上がらない。 ようやく意を決して、ドアを…

意外とこの青のりは歯につかない

輪講に何かおやつを買って持って行こうと思って キャベツ太郎を選んだらわりと好評だった。 それで、ゼミ中に最初はちょっとためらいながら、 でもだんだん遠慮なくぼりぼりやり始めたら止まらん。 ところで、なんでこんな名前なんだろうねえ、 という話が休…

探しに行かなくてもここにいる

大丈夫だ。まだ君は君のことを一番よく知っている人間じゃないか ジャン・ジュネ 不安になったら君のことは君に聞くのが一番正しい。 そのことに関してだれかがとやかく言うべきこともない。 「自分」と「現在」を説明しなければならない、 そのためには知を…

耽落を棄てて自らを投企せよ

わたしはこの世界のなかに投げ込まれており、 なんぴとたりともそれを逃れることができない。 ということを、ハイデッガーは被投性と呼んだ。 これに無自覚で没入しふけっている状態は耽落である。 早くこのぬるま湯から抜け出し世界と対峙すべきだ。 そして…

カレーとトコジロー翁

2日連続でカレーを食べた。昨日はお外、今日はお家。 インド系のカレー、というのもお店の名前がインドの 地名だと思うからそう勝手に思っただけなんだけど、 サグパニールというほうれん草とチーズが入ったのと シュリンプコルマという小エビとトマトクリ…

ラクウショウの呼吸

とっても天気がいいので遠くの森まで散歩しに行ったら、 大木の周りの地面から変なのがにょきにょき生えていた。 幹を取り囲むように広範囲に渡ってつくつく突き出ている。 落羽松という杉の木(松と名乗りつつも杉なのだ)は 沼沢地に自生し、水に浸かって…

自由にやりたければ

瞬きをしただけのつもりだったけど、次に目を開けたら終点だった。 仕方がないのでまあこういうこともあるさと居直って、反対向きの電車に すごすご乗り換える。さっきは急行だったけど、今度は各停なので それぞれの駅に律儀に停車して行く。急いでないから…

外にはないわたしに向けて

見えているものはすべて外側なんだよ。 客観的になってしまったものは、 すべて外のことであって わたしの中のことではない。 わたしに由来する外側となったわたしの残滓は もはや、わたしではないと拒絶反応が起こる。 外側になってしまった瞬間に新たな表…

Memory retrievalどうやるの

きのうも実験、きょうも実験、あしたも実験。 ぼく、ちょっとつかれちゃった。 なんて弱気なことを言ってるわけにゃいきません。 けっこう楽しいし。 もうすこしでなにかが分かりそうな予感は大切だ。 KnowとRememberはちがうっていう話を3人で議論した。 …

ネコが死んだ

庭にネコが来るようになったのがいつかもう思い出せない。 最初は姿を見せなかったけれど、落とし物をして行ったり、 それを隠すためか芝生をかきむしりめちゃくちゃにしたり、 植物に水をやって行ったり、明らかな形跡が遺っていた。 それよりは、ああもう…

False Greatness

お花見をした。幹事といういきものになった。 たぶん、自分なりの努力をしてみてた。 誰かががんばっている姿というのは得てして無様で、 周りから見ていて、とても見られたものではない。 しかし、自分がそうなってみると何より心強いのは、 その姿が自分に…