2007-01-01から1年間の記事一覧

いつも少し前を見ている

何かの切れはしにメモしてあった言葉。 こんなことを書いたときに考えていたのは、 どんなときも時間的に振り返っているだけで、 少し過去の自分を見つめ続けるしかない、 といったようなつもりだったと思う。 でも違う意味にもとれる気がしてきた。 普通に…

ガールズファイル

柴崎友香の最新作である。前半はノンフィクション。 27人のはたらく女の子たちの報告書と副題にある通り、 インタビューで聞き出したお話をまとめたもの。 さまざまな職種の20〜30代の女の子たちの生の声。 恋からをもっとまじめにした感じとでも言うか。 Ha…

青色讃歌

文藝賞受賞作のもうひとつの方。 フリーターのしがない日々のつれづれ独白。 どちらかと言えば好きな文体に近いけれど、 まだまだこれからに期待したいところ。 ところどころ光るところがあったかもしれない。 傷口に石を押しあてる場面とか、ぞくっとした。…

肝心の子供

今年の文藝賞受賞作のひとつ。 ブッダにはラーフラ、束縛という名前の 息子がいた。 と始まる親子三代の偽史小説。 読む側の力量が問われるとは保坂和志の評。 そんなにすごいのかまだよくわからなかった。 それを認めるには時期尚早だと思ってしまった。 四…

バラ色の怪物

笹生陽子と笙野頼子をごっちゃにしていたことに 最近やっと気が付いた。 『ぼくは悪党になりたい』とか『楽園のつくりかた』や タイトルの作品はすべて前者の作品だったのだけれど、 全部後者の作家の作品だと思い込んでいた。 笹が生まれると竹が生まれるは…

存在の耐えられない軽さ

クンデラという作家は前々から気になっていた。 実際のところ、このタイトルに惹かれていた。 ずっと以前に一度図書館で借りたことがあったけど、 そのときは読まずにそっと返したような気がする。 ドンファンのトマーシュと妻のテレザ、愛人サビナ、 彼らを…

1973年のピンボール

村上春樹の初期三部作の中の第二作ということらしい。 鼠と呼ばれる青年と「僕」が主な登場人物の作品群。 僕は双子の女の子2人と暮らしている。 あんまりそっくりなので、区別がつかなくて困る。 右と左、どうと呼んでも大差ないのかも。 208、209と…

わたしたちに許された特別な時間の終わり

http://www.shinchosha.co.jp/books/html/304051.html 立ち読みしてみるべし。 5ページ分にもみたないくらいしかまだ読んでないけど、 こういう志向性がやけにしっくりくるのでおどろいた。 だらだら書いてるだけで大ッキライという人もたぶんいて、 そう感…

時間が流れる

言葉に託しすぎるのもいけないけれど、 言外のままいつか消えるよりかは。 読書の記録のいくつかを書いておく。

あまのじゃくにはなりたくない

自分が感じたことや考えてること、思ったこととか信じてることをちゃんと言おうとしても言えなくて、もどかしいにも程がある。ならば、と書こうとしても書けずにちっとも上手く行かなくて、もうなんでもいいから子どもみたいにじたばたとかしたい。それでど…

翻訳家はたいへん

昨日と今日はまじめに論文や解説記事を読んだ。 まるで学生にでもなった気分だ。 え、もともと学生だろって? いや、そうなんだけど…。 濃度が薄まれば薄まるほど、電離しやすくなるんだよ、 っていうのは弱酸のお話*1。氷酢酸は冬に凍るらしい。 濃度が薄ま…

爆発とそれから

研究室の忘年会が終わって風邪をひいて もうずいぶん経つのに一向に治らないし、 いろいろ不安もあって、気弱になっている。 ああ、これは何かの罰が当たったのかも。 とどのつまり、何が表現したかったんだっけ? と自問してみた。むだに考え続けた。 どう…

星ふるよるに

きのうのよる流れ星をみにいった みえるたびにちいさくおっ とこえにだしてみる 1こめと11こめがおおきかった どちらもみあげたしゅんかんに 12こめと13こめはいっしょにあらわれて オリオンをすばやくよこぎっていった きょうだいだったのかもしれな…

オリオン座の左下の

ここ1週間ちょっとの読書記録。 まず、12月1日(土)の夜。 『冬が来た日に』柴崎友香 2006年11月26日(日)日経新聞 35面 2007年7月7日(土)〜12月1日(土) 土曜日夕刊での柴崎友香の連載(21回分) 1年前に一度載った大きな記事ひとつと、 ここ半年くらいこつ…

リアリティ

11/16(Fri) 後輩の発表を聞こうと急いで移動した、 けど大幅に遅刻した。ごめん。 その前の仕事(そうか、仕事なんだよな)の 約束相手に突発的に会議が入ってしまったとかで 結局お会いできなかった。がびーん。 社会人の常識として、アポはもっときちんと …

昼下がり

すこし早目に着いたので、 代々木公園でランチを摂る。 若手芸人コンビがネタの確認をしている。 道行く人々とは逆向きを向いてやっている。 まだ気恥ずかしさが抜けないらしい。 アンプなどを用いた音楽活動禁止 の看板のすぐ真下でギターを弾く若者。 とて…

考古学者、求む

本棚や机のまわりの整理を始めたら、 もういらなくなったものが山のように。 特に、机の下に積み上げた論文やゼミの資料が 1mを超えるんじゃないか、というくらい 深くて複雑な地層を形成している。 基本的には、表面から掘り下げて行くと 年代が古くなる…

アメリカ紀行(ロス〜サンディエゴ〜メキシコ)

各日へのリンク 0日目 11/1(木): 前夜 1日目 11/2(金): ロスにて 2日目 11/3(土): ブルーポイント 3日目 11/4(日): オールドタウン 4日目 11/5(月): 缶詰め 5日目 11/6(火): 発表 6日目 11/7(水): ティファナ 7日目 11/8(木)…

ただいま

目が覚めたら朝の4時で、ホテルに着いたのが 深夜1時とか2時だったらしいのですこし寝たらしい。 シャワーを浴び服を着替えて布団をかぶって眠った。 帰りの飛行機で読む論文の印刷を頼まれてたけれど 入れ違いでもう眠ってしまっていたし、仕方ない。 朝…

ロスの街歩き

朝、野澤の買って来てくれたホットドッグを食べた。 トッピングも豪華で、学会会場の高くて何も入ってない のより全然美味しいよと絶賛して、ほおばった。 サンディエゴに名残惜しみつつ別れを告げて、 Amtrakでロサンゼルスに向かう。 隣の席でおばあさんが…

ティファナ

会場で朝ごはんにチュロス(アイス付き)を買ったら これ以上ないというくらいでろでろあやしく光ってて、 甘さ爆発、実は80%くらい砂糖でできてるかも、 というくらいとろけてた。(実際表面がとろけてる。笑) それをさらにアイスに付けて食べるという…

発表

朝5時くらいから"CPU"が空くというので それまでにできた部分を送るために 寝ないで最後のスパートをかけた。 重たいファイルなので届いたか心配で 何度も確認のメールを送っていたら、 やっと受け取れたと返事が来て安堵。 それからrevisionが送られてくる…

缶詰め

学会3日目はホテルから一歩も出なかった。 唯一しゃべったのは、housekeepingのお姉さんと 扉越しに一言二言だけ。 どんどんどんどん、と豪快にドアを叩いて 掃除は必要ないの?と聞いてくるので、 いらないです、と答えた。 (Do not disturb.の札を下げて…

オールドタウン

朝早く宿を出たら、先輩と一緒のバスになる。 RizzolattiやIacoboni,Ramachandranなど 超有名どころの研究グループの発表が続く すごそうなセッションでの発表らしい。 その部屋にいて順番に聞いてゆくことにする。 AgencyとかMirror systemなんかの話が続…

ブルーポイント

早朝に起きて、荷物をごろごろ引っ張りながら ユニオンステーションに向かう。 Amtrakというアメリカの鉄道網があって ロサンゼルスではこの駅がハブらしい。 電光掲示板の不具合なのか、乗る電車が 何番線なのか分からずにしばらく探し回る。 乗る電車を見…

ロスにて

あんまりめぼしい進捗もほとんどないままに 気が付いたら着陸していたという感じ。 とりあえずロサンゼルス国際空港に降り立った。 入国審査ではわりと細かくいろいろ質問責めに。 sightseeingしに来たんです、と答えながら、 どこか観に行けたらいいのにな…

前夜

飛行機の中でwの意味についてずっと考える。 出発の前日にボスから電話がかかってきて、 あと1時間くらいで飛行機に乗る段になって やっとメールを受信できたから、今からだと もう手直しをする時間がないと伝えられて。 ほとんどパニックになりそうだった…

大失敗

ちょっと大変なことに気が付いた。 なんか変だ、とうすうす感付いてはいたのだけれど、 なんとなくそのままにしてしまっていた。 来週から学会に行くのに、 registrationし忘れてるぞ! 学会の年会費とか発表費とかいろいろお金は払った という記憶はあって…

クジラに手をふる

クールミントガムのパッケージにはペンギンが5羽*1描かれていて、 そのうち右から二番目だけが羽を挙げていることに最近気づいた。 その瞬間、はっとして、くっきり目が覚めた。*2 そして、重大な秘密に自分だけが到達できたような気がして ちょっとうれし…

Beatnik, Sputnik

50年前の今日、1957年10月4日、 ソ連のスプートニク1号の打ち上げが成功した。 人類初の人工衛星。 冷戦中だったのでアメリカは焦ったらしい。 電離層の観測のための衛星だったんだけれどね。 googleのトップ絵がその50周年を記念してた。 かわ…