考古学者、求む

本棚や机のまわりの整理を始めたら、
もういらなくなったものが山のように。


特に、机の下に積み上げた論文やゼミの資料が
1mを超えるんじゃないか、というくらい
深くて複雑な地層を形成している。


基本的には、表面から掘り下げて行くと
年代が古くなるという傾向が認められる。
いわゆる、スタック構造に近い。


しかし、何度か逆転層を発見した。
その層内では、深くなるほど時代が新しい。
何かを探したときに、別の山を作って
元に戻すときにそのまま積んだらしい。


また、時折、特殊な層が見られた。
使われなくなったノートPCであったり、
何かの学会でもらったバッグであったり。
紙類だけかと思われた地層の奥深くには、
単体で意外に分厚い構造が隠れていた。


さらに発掘調査を続けたところ、
かなり深層にひときわカラフルな層が。
去年の秋の学会のプログラム群らしい。
後生大事に重たいのを持ち帰ったようだ。


その近くに、各種の専門雑誌の見本誌が
大量に発見された。意外な掘り出し物。
natureやScience, nature neuroscience,
nature review neuroscience,
Learning & Memory等々。
去年はさっぱり分からずとりあえず
もらっておいた雑誌ばかりだが、
ぱらぱらめくると、なかなか面白い論文が
いろいろ載っていて、これは読まねば。


とりあえずこの辺りで調査は打ち切り、
また元のように埋め戻しておいた。
ただし、もういらないだろう、という
去年の学会プログラムは処分した。


論文などの紙の束の山は貯まる一方。
ファイルなどに整理しないと、このままでは
もはやどこに何があるとも誰も知らぬ
古代遺跡がひそかに醸成されてしまう。
いや、もうすでにその端緒が見られる。


分類好きで腕の立つ考古学者、求む。