パスモ デビュー

パスモ定期券を手に入れて妙にうれしくて、
意味もなく改札を出たり入ったりしてみたり、
ぴこっ、ぴこっ、と軽く押し当てるだけで
通れる新しい感覚を何度も試してしまった。


はたから見ていたら、ただのへんなひと。


そのついでに、ちょっといつにない行動力で
定期で行ける遠くの本屋まで足を伸ばした。


シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)
梅田望夫
シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土』
という本の文庫版あとがきに、
Steve JobsApple CEO)のスタンフォード大学での
卒業式の祝辞が引用されていて、

"The only way to do great work is to love what you do."


一見ごく当たり前じゃんって感じで、
取り立てて言うべきことでもなさそうだけど、
実は一番大切なことなんじゃないか。

全テクストは、
Text of Steve Jobs' Commencement address (2005)


そっか、日本語でも、
好きこそものの上手なれって言うもんね。
自分のやってることが好きになれないなら
それはきっと向いてないってことなんだろう。


何をやってるのか自分でも本当は分からなくて、
もしかしたら、ばかげたことかもしれなくて、
でも、こんなことは世界中で自分しかやってない!
と思えることをやれたら、絶対すばらしい。
なんかよくわかんないけど、ここ最近になって、
研究のこととか考えてると楽しいのはいい兆し。


上のあとがきに、もうひとついい言葉が載ってて、

"tenaciousness"

シリコンバレーでよく聞かれるというキーワード。


みんなもうとっくに諦めてしまったのに、
あいつまだあんなことやってたのか〜!
しぶといなぁ


というような、いい意味での粘り強さを
評価して使う言葉なのだそうだ。
やせ我慢とか悪い方向じゃなくって、
踏ん張ることで得られる強度みたいなもの。


梅つながり、というわけでもないけど、うめめ
ちょっとだけ気になってた
『うめめ』
という写真集をやっと、ぱらぱら見られた。
梅佳代という、たぶん若い写真家が撮ったもの。
木村伊兵衛写真賞というのをもらったんだとか。


賞をもらったからいいとか悪いとかでなく、
とにかく、シャッターチャンスをとらえる
感覚が風変わりだと評されてるみたい。
変なタイミングでシャッター切ってる、
たしかにそう言われてみれば。
おかしな具合の組み合わせの被写体。


写真を撮る/撮らないに関わらず、
二度と同じ瞬間は訪れないのだろうけど、
ありきたりな風景にはたぶん目もくれず、
あえてはずしたひとコマを切り出して
それでいて、どこにでもあるはずなのに
いつも見逃してるだけとさらり伝える。
意識しても狙えなさそうなところを
ぐいぐい衝く感じがなんともいえない。