C’est la vie!

だいぶ前の嵐の夜にたまたまテレビをつけたら
メッセージ.jpという番組に江崎玲於奈さんが出ていた。
かなりおもしろくて食い入るように聞き入ってたのに、
途中で、ただいま大雨のため電波障害が起きています、
とぷつりと映像が途切れてしばらく映らなくなった。


うぉぉせめて音声だけでもいいからがんばってくれよ、
と祈ったけどダメで、やきもきしながら待ってたら
すこししてなんとか復旧して、また映り始めた。


エサキの黄金律として有名になったらしい、
創造性(creativity)を発揮するための5か条:

  1. 「今までの行きがかりにとらわれてはいけない」
    つまりね、自由にならなくちゃいかんということです。
    呪縛があると自由な発想がないということですね。
     
  2. 「大先生にのめり込んではいけない」
    大先生の言うことはよく聞かなくちゃいけないんですが、
    大先生にのめり込みますと、自由奔放な若さ、
    自分というものを失うということ。
     
  3. 「無用なガラクタ情報に惑わされてはいけない」
    非常に大量な情報の中に溺れちゃいけない。
    本当に自分に必要な情報だけを取り出すということが
    大事だということ。
     
  4. 「主張を貫くためには戦いを避けてはいけない」
    やはり自分というものを主張しなくてはいけない。
    そのためには戦いを避けてはいけないということ。
     
  5. 「飽くなき好奇心と初々しい感性を失ってはいけない」
    それは子供の時から持ってる、子供が持ってるような
    飽くなき好奇心と若々しい感性というものが必要だと。


どれも言われてみれば当たり前っぽいけど、
1ノーベルの江崎さんが言うと重みが違うね。
先生に考えてもらうんじゃなくて、当然だけど
自分の頭で考えて行動しないといけないわけで。
そうしないと、自分の主張もできないんだし。
誰かの言葉を借りて受け売りするのは楽だけど、
いつまで経っても言いなりってダサすぎる。
マネできないところが自分らしさでもあるけど。


それから、若いうちにはそれなりの良さが
あるらしいということを直感されてるらしい。

「日本語は大器晩成って言葉があるんですけど、
サイエンスは必ずしも大器晩成じゃない。
若い人たちがいい仕事をする。」

これを聞いてちょっと明るい気分になって
勝手に励まされてみるのも悪くないかな。


それから、

「“温故知新”ということが成り立たない分野」

がありうるという視点が斬新な気がした。
それは、真空管をいくら研究、改良しても
絶対にトランジスタは生まれなかったという
事実がひとつの例として挙げられるわけだけど、
他の問題のときにも当てはまるのかもしれない。
故(ふる)きを温(たず)ねるということが、
新しきを知るための必要条件でこそあっても、
十分条件では必ずしもないということだろう。


また、年齢と人間性、創造性との関係についての
radicalだけどある側面ではplausibleかもしれない仮説:

「人間は2つの才能を持ってる。
その理性のようなものは1つは先ほど言った
judicious mindと言いますか、分別力のようなもの。
分別力というのは例えば20歳から70歳まで考えると、
20歳から70歳がどんどんどんどん伸びる。
70歳で100になるとしましょう。


それに対して創造性というのはこれも私の独断
なんですが20歳で非常に高い100の創造性が、
どんどんどんどんと70歳には0になる。
その交点が45歳ということですね。
サイエンスの分野でいろんな業績をされたのは
45歳以下の人が多いですね。」


この説によれば、うちのボスくらいの年齢が
一番バランスが取れて脂が乗った時期?
なんだろうかと一瞬、短絡してしまった。
確かに、世間的にも活躍中?なのかなあって。


最後に、次世代へのメッセージ:
(を伝えるというのがこの番組の主旨らしい)

"What should I do with my life?
What am I best at?"

をみずからに問いかけるようにと。
自分に何ができるのか?人生いかに生くべきか?
を考えてほしいということだった。


もちろん答えはすぐに見つかるはずもなくて、
進行形でずっと考え続けてゆくのだろうけれど。
自分が必死にできることを探してそれをやる。
そういう姿勢こそが人生そのものなのかもね、
という漠然とした予感にかるく武者震い。