Onceness - C/2007 N3 (Lulin)

ルーリン彗星が地球に近づいている。

石垣島天文台 2009/01/19 05:59JST むりかぶし望遠鏡
(たぶん、漢字では「群りか星」望遠鏡。いいネーミング!)


2月24日に0.41AU(〜6100万km)まで最接近して、また遠ざかって行く。
軌道が放物線に近いため、ふたたび戻ってきたとしても、はるか数万年先。
ひとりの人間が生きてるあいだには、まさにこの一度だけしか逢えない。


こんなこと知ると、とっさに望遠鏡を買って探しに出かけたくなる。


国立天文台でキャンペーンをやっているようだ。



ルーリン彗星見えるかな?
都心からは肉眼では厳しいみたいだけど、

みなさんには観察した日や観察した場所、彗星が見えたかどうか
などを報告していただきます。みなさんの報告の集計結果から、
いつ、日本のどこで彗星が見えたかがわかるしくみです。
携帯電話からでも参加できますので、今まで彗星を見たことがない
という方もぜひチャレンジしてみてください。……
また、「見えなかった」という報告も貴重な観察結果です。
見えなかった場合もぜひ報告をお願いします。

みなさま、ぜひふるってご参加ください。

「見えなかった」という報告も重要な情報になる、
というところが、見えなくてもいいんだというわけではない
のだけれど、見ようとすることがまずは大事なんだ。


もっと知りたい。
Sky Show This Month: "Two-Tailed" Comet Nearing Earth
“2本の尾”を持つ彗星が接近中
接近中のルーリン彗星を観察しよう
尾の伸び方がちょっと変わった彗星らしい。
しし座の一等星レグルスや土星の近くにいるって。


今回はじめて知ったのだけれど、彗星の名前には仮符号
というのが付いてて、ある規則に則って命名されている
とてもわかりやすい解説を発見。)
これによると、"C/2007 N3"という暗号を丹念にひもといてみると、
周期彗星、すなわち200年以下の公転周期を持つ、あるいは
二度以上(more than once)近日点を通過した彗星ではなく(C/)、
2007年7月前半に見つかったものの中で3番目の彗星、
という意味になるはず。


そう言えば、と思い出した彗星の符号についても解読してみた。
1994年に木星に大衝突したシューメーカー・レビー第9彗星

NASA 1994/05/17 ハッブル宇宙望遠鏡
(強い潮汐力で21個の破片に分裂してしゅしゅぽぽ木星に突き進む彗星列車)
は、"D/1993 F2"という符号だった。ということは、
すでに存在しない、もしくは消失したと考えられる彗星(D/)で、
1993年の3月後半に見つかったもののうち2番目の彗星となる。
華々しい最期を迎えたということでは、一大スペクタクルだった。
うわ、今すごいAha!があった。なんで彗星列車という形容が
なされてたのかここにきて15年越しくらいでやっとわかった。
Shoemaker-Levy 9を略してSL9、で、SLということか。


そんなことを調べたり、懐かしがったりしてる間も、
ルーリン彗星は地球にどんどん近づいてるんだよね。
すぐそばと言っても天文学的な距離なんだけれど、
地球から太陽までの距離の半分以下まで最接近する。
ということは、太陽からの光が地球に降り注ぐまでに
8.3分もかかるのに、一番近いときでルーリン彗星から
光が届くのには3.4分しかかからないと計算してみたら、
ほんのすぐそこまでやって来つつあることになる。
彗星が光り輝いてからカップラーメンが少しのびたかな
くらいの時間で到達するって近いよ、すげー近いって。


今年は奇しくも世界天文年
ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を夜空に向けた1609年から
400年の節目となる記念すべき年にあたると言う。
いつも天文イベントのニュースに気が付くたびに
にわか天文ファンになりすましてみたりするけれど、
小さい頃から星空が好きだったことに嘘偽りはない。
ふだんはそんなこと忘れちゃって夜空を見上げる余裕も
あんまりないけれど、たまには立ち止まって星を観よう。


いまここからすぐそこにあるほうきぼしへ。