雨上がりの星降る夜

深夜、雨が上がったようだったので、
星は見えないだろうかと思って庭に出た。
明け方に向けてしし座流星群が極大になる。
ほんの400年前の彗星の通り道を地球が辿り、
そのかけらが流星となって降りそそぐ。


獅子の大鎌とか、せめて一等星のレグルスや
近くの火星くらい見えてもよさそうなのに、
とても寒くて、なによりまだ曇っていた。
それでも、しばらく東の空を見上げてた。


部屋に戻ろうとふり返ったら人影があって
死ぬほどびっくりしたけれど、落ち着けば、
ガラスに映った自分しかいるわけないだろう
と思うと、今度は逆におかしくなった。


夜明け前にもう一度、もしも起きられたら
見に行ってみようと思って目覚まし時計を
アラームは消してバイブレーションだけ
セットしながら、でもたぶんこの程度で
目が覚めることもないと分かっていた。


寝ている間にたくさん降ったにちがいない。
だから、今日はいい天気になった。