青春18きっぷの旅 [森を駈け抜ける東北編]

openlimit2006-08-30

[北の台地まるごと北海道編]からのつづき。


前日23:00ちょい前くらいに函館フェリーターミナルにたどり着き、
乗船1時間くらい前に無事きっぷを購入!ここまでが前回。
0:30発なので、ここいらで日付が変わっているよし。


特等、1等、2等寝台、2等というランクがあるらしく、
もちろん一番安い2等でがんばろう。まあ予約してないし。
しかも学割2割引で1,480円なり〜。距離の割りには安い?
あと、なんちゃって1泊分も込みだと思えばさらに安い。


「寝台」ではないということなので、ふつーに椅子に座らされて、
そこでなんとか寝られるんだろうかと懸念していたけど、
(現に往きの飛行機は、背もたれ90度でも爆睡できたし、)
2等船室でも、ひろーく絨毯が引いてあって、そこに雑魚寝なんだ。
おおーなんと!寝られるのか。それは助かったぜよ。


黒い直方体型のなかなか反発の良い枕を好きな位置に置き、
それぞれ好きな場所で勝手に寝るわけか。
えっとえっとどうすりゃいいんだ、と惑っているうちに、
隅っこの暗そうな良さげな場所は先に取られてしまっていて、
通路側の照明に近い明るい場所しか確保できなかったけど。
もうこの際だし細かいことは気にしないことにしとこう。
と思って、わりと勢いよく頭を枕に乗せようと横になったら、
見事に距離を測り損ねて、壁にごちんとぶつけたよ。イテテ。
というわけで、相当なお疲れモードだったもよう。


暗くなって、置き引きにご注意の壁紙の文句が頭に浮かび、
ぱっと目覚めるたび、自分の荷物とサイフを何度も確認しちゃった。
うーん、この辺り、まだまだ素人っぽさが抜けないというか。
でもお金ときっぷ以外に一番失くしたら泣いちゃうだろうな、
と思って旅の間中ずっと気にかけていたのは、実は、
電車の乗り換え駅・時間を細かく記したメモなんだよね。
途中で1本ロスするとその日のうちに帰れなくなるし、
旅の道半ばにして予定が狂ったらなんかすっきりしないし。
B5のノートを破った紙の切れ端が3番目くらいに大切だなんて、
ちょっと変な感覚で、ぎゅっと握り締める手に力が入る。


翌朝、というかまだ全然暗いし夜だけど、ぱっと電気が点いて、
えーもう起きるんかいな、2〜3時間しか寝てないってば、
きっついなぁ、もう、とひとりごちてもやるかたない。
本当は部屋が明るく前に目が覚めていて、ふっとすこし先を見ると、
きれいなお姉さんが無防備に寝ていたりして、すこしドキっとした。
そっかそっか、だだっぴろい船室で男女別とかじゃないんだっけ、
と今さらながら気付くかなり寝ぼけた早朝。
まあ部屋が真っ暗になるわけじゃないから、別に問題ないか。
明るいから、目の上にハンカチを置いて寝ていたくらいだもの。


着岸が近づいて、車などで来た人が部屋から出て行ったあと、
歩いて乗って来た人が何人いたのかな、とこっそり数えたら、
12人くらいだったみたい。結構少ないような気がした。
まあ、歩きで渡るんなら、敢えてそんな深夜の便を選ぶ理由もないか。
結構ぎりぎりまでねばって寝ている人がいて、ツワモノだなと感心。
下船券をなくしてあたふた焦ってる人が、なくしたのならもういいですよ、
と温かく見逃してもらっていてほのぼの。あ、僕じゃないよ。


船を下りた頃、ちょうど夜が明ける頃合で、
これがもう、文句なく素晴らしい。
あんまり綺麗だから、自然、身体がふるえた。
オレンジ色に染まり始めた空の上方、
まだ紺色の夜には一つ星。


ずっと明けの明星を眺めながら青森の湾を望みつつ、
駅まで暗い中がんばって歩いた歩いた歩いた。
7:00過ぎにならないとシャトルバス出ないんだ。
まだ4:30とかだもんね、夜風がちょっと寒い。
駅に向かうつもりで、青森ベイブリッジを渡った。
青森にもベイブリッジがあったなんて知らなかった。
シンプルでかっこいい橋、横浜に引けを取らないかな。


で、駅の方に下りようと、螺旋階段の入り口が閉まってるぞ!
ここも7:00過ぎにならないと通れないんだとか。くそっ。
まあベイブリッジを渡れたから、気持ちよかったから許す。
橋を渡らずに脇にそれる道が、駅への近道だとは知る由もなし。
駅は橋の真下にあったんだなんて、地図をよく見るべきだったかな。
でも、ちょうど駅に戻る途中の桟橋で日の出が見られてまばゆい。
自分の影がものすごく長くて、2〜300mは伸びていたかも。
ほとんど横からの朝日だとみんな足長おじさんになれるんだ。


青森駅では、始発までの時間を利用して、朝飯を調達して、
洗面所でヒゲをそらせてもらったよ。さっぱりした。
さてではそろそろ、今日も電車の旅をはじめようか。

  • 函館フェ 0:30発 びいな [青森行き]
  • 青森フェ 4:20着

青森フェリーターミナルから青森駅へ夜明けを見ながら歩く!

蕎麦を立ち喰いする。旨い!

  • 盛岡 12:11発 東北本線(普通) [一ノ関行き]
  • 一ノ関 13:40着
  • 一ノ関 13:54発 東北本線(普通) [仙台行き]
  • 仙台 15:39着
  • 福島 17:23発 東北本線(普通) [黒磯行き]
  • 黒磯 19:17着
  • 黒磯 19:29発 宇都宮線(普通) [宇都宮行き]
  • 宇都宮 20:19着
  • 赤羽 22:01発 埼京線(快速) [新宿行き]
  • 新宿 22:16着
  • 新宿 22:18発 山手線(普通) [渋谷・品川方面(内回り)]
  • 五反田 22:31着

(以降、私鉄にて帰宅)


東北の見所は、田園風景や里山の車窓が楽しい。
それから、一番良かったのは、大館〜盛岡間で、
ここは、文字通り森の中を駈け抜けて行く感覚。
その途中、好摩〜盛岡間は第3セクターの路線で
いわて銀河鉄道っていう、かっこいい名称。
18きっぷじゃ乗れないってのが玉に瑕だけど、
630円で電車の中だけど森林浴ってのも大あり。


それにしても、青森から東京って、特急なしでも、
1日あれば十分帰って来られるってのが驚き。
帰ってから、天気予報とかで日本地図見るたびに、
あー青森ってここじゃん、札幌はここだよ、
こんなとこから2日で移動できちゃうのか〜。
と毎回、感慨にふけってしまうという感じ。


飛行機でぴゅんと飛んじゃうと間が抜けて、
距離を感じさせないというのもいいけれど。
逆に、距離を感じてみるのも限りなく良い。
ずっと座りっぱなしで窓の外を眺めるだけで、
次から次から見たことない風景が飛び去り行き、
窓を開ければ涼しい風が吹き抜けて心地よい。
時間があるときは、ゆっくり時間をかけて、
贅沢に電車の旅も悪くない、はまりそう。

  1. 奈良→東京
  2. 東京←→水戸
  3. 札幌→函館
  4. 青森→東京

18きっぷで1枚こ〜んなに移動しちゃった。

  1. 奈良駅
  2. 渋谷駅(ハチ)
  3. 水戸駅
  4. 札幌駅
  5. 青森駅

という5つの駅のスタンプがちゃんと押してある。
ちょっとへろへろになったこのきっぷは、宝物決定