そうだ、人文に行こう

久しぶりに大学に出没してきた。


とあまり考えなしに軽率にもさらり書くと、
それなら、ふだんは大学行ってないわけ?
すかさず厳しい怒涛の突っ込みの応酬が、
あるとも思えないけれど、一応補足すると、
もうひとつのキャンパスに行っただけ。


こちらのキャンパスの方が実は懐かしくて、
今年の春までずっと通ってた場所だから。
本館前のエントランスなんかは様変わりして、
すこしクールになっちゃったりしていても、
当然本質的なところは何も変わっておらず。


今から思えば、って思わなくてもいいけど、
どちらかと言えば足しげく通学していたのは、
授業出ないと不安になる心配性だからでなく、
それもあるけど、どちらかといえばそれより。
ある場所に、たむろしに行くのが楽しかった。


なあんてカッコつけるまでもなく、つまり、
人文なわけで、そこって変人とかが集まってて。
あぁ、ほろほろさんどうしてるのかな?
とか、ついちょっとメランコリーに浸ってみたり。


「君って、本当に文章が下手だね!」
と明るく大声でずばり痛いところ指摘してくれる、
そんな自信家なら早く編集者にでもなっちゃえよ、
みたいな、人付き合いが大嫌いとか言いながら、
誰彼かまわず知らない人にまですぐ絡むあなた、
自称ノミの心臓のくせに、大胆ふてぶてしい、
昨日はほろほろさん来てたって。会いそびれた。


いや、代表値としてほろほろさんを持ってくると、
人文な人々の層を確実に見誤ることになるので、
あくまで、アノマリーというか、特異点として。
けなしてるわけじゃなく、褒めてるんですよ。


もっとまともな、健全な常連さんたちや
初めましての方々とお会いできてよかった。
何年ぶりだよ!な勢いの、サークルの後輩とか、
意外な顔が見られたりして、不思議な場所だ。


お昼過ぎに顔を出したら、みえぞーさんから
屋久島のお芋が届いたから焼き芋を作ったよ、
とマンゴーみたいな黄色くて甘いお芋を戴く。
スプーンですくって食べるんだ、新しい。
おいしいよー、ありがとう。みえぞーさん。
それがお昼ご飯になっちゃった。ラッキー☆


そういえば、数年前初めて遊びに行った日にも、
映画を観ていたらカレーが出てきて、食べない?
名前も知らないのに、こ、これは何なんだろう。
知らない人に声掛けられても・・・、否、ここは特別、
とか思うひまもなく、すずきくんと呼ばれ始め、定着。
って、そんなんでいいのか!だいぶ適当じゃん?
まあどうせ本名で呼び合ってる人の方が少ないし、
大学にこんなあだ名空間があるなんて予想だに。


今年の前半は、とにかく何かと忙しかった、
という言い訳はできるけど、それはそうと、
なぜか足がそちらに伸びず、行きそびれてた。
ゼミの行き帰りに通るのだから、途中下車すれば、
いつでも行けないこともないはずなんだけど。
これがいけないのか。いつでも行けると思うと、
ともすると、いつも行かなかったり、なぜか。


本館の秘密基地というキャッチコピーは言い得て妙、
だとつくづく思う。もちろん、実際は秘密ではなく、
おおやけの場だけど、秘密にしたい気持ちは分かる。
それに、秘密にせずとも、意外と、誰でも来る、
ということもなく。たとえば、いきなりほろほろさんの
手加減無しの洗礼を受けてショック受けたりはある。


大人しくなったりせずに、今でもあのノリなのかな。
やあ!どうも初めまして。私はほろほろです。あなたは?
いきなり大声で初対面の人にこんな風に畳み掛けられて、
ひるまない人は、大したものと言わずして何と言おう。
そういうの抜きにしても、学生はたっくさんいるのに、
ある程度、常連さんという存在が現れるのが面白い。


まあ、そんな小難しいこと考えるまでもなく、
この大学に入れて良かったなぁと思えたのは、
人文を見つけたときだっていうこと、確実に。
居場所があるって幸せだし、憩える場として。
そんなことを思い出した昼下がり。のんびり。