初めまして

後輩とその赤ちゃんに会って来た。
最初に写真で見せてもらったときより
ずいぶん大きくなっていた。
3か月でこんなに成長するんだな。
ぷっくりしていてとてもかわいい。


会ってすぐに抱っこさせてもらった。
そんなに恐々持ち上げなくても大丈夫よ、
と言われた通り、首も座っているし、
身体もしっかりしているというか、
まるごと全身を支えなくても抱けた。


赤ちゃんを抱っこするのって初めて。
バイトで重たい本とかを運んだりして
ちょっとは腕が鍛えられていたのか、
そんなに重いようには感じなかった。
でも、ちがう意味でずっしりしていた。
ちゃんと生きているんだなという重み。


後輩が用事をすませて来るまで、
ほんの短い間だけお留守番をしていた。
モリゾーの人形はあまり気に入らないのか、
反応がいまいちっぽいのでやめて。
指を近づけると、しっかり握り返してくる。
手を開いたり閉じたり、腕を左右に振ったり
しながら指を波打たせてみたりして
いろんな複雑な動きをして見せてたら、
興味津々で動きを目で追って楽しそうだった。


これはなかなかいいかも、と味をしめて、
しばらくそうしながら、雑誌をぱらぱら
めくっていたら、さすがにずっとだと
飽きたのか、だんだん泣きそうになった。
このままではいかん、と思い、雑誌を置き、
抱き上げてゆらゆら軽く揺らせると、
ちょっと落ち着いて、笑ってくれた。


そうしていると、他の後輩が来てくれて、
彼女も赤ちゃんと初対面らしいので、
抱っこをバトンタッチすることにした。
ここまでは機嫌良くしてくれてよかった。
重役から開放されて、ちょっと、ほっ。


その後、眠くなってちょっと泣いたけど、
ずり落ちそうになったメガネを直す暇もなく、
その後輩が懸命にお守りをしてくれたので、
指をしゃぶりながら落ち着いてお眠りに。
目をぱっちり開け、手足をじたばた
みたいに動かしてるのもかわいいけど、
すやすやしている寝顔もかわいい。
しばらくして、お母さんが戻って来た。


秋から復学する予定で、その前に
院試を受けるのでそのための勉強を
もう始めているということだった。
偉いなあと、思わず感心してしまう。
院試で分からないところとかもしあれば
何でも聞いてよ、と見栄を張ろうとして、
でも旦那さんに聞けばいいのか、と思い直し、
教えてあげられることなんてもうないなと。
こっちがいろいろ教えてもらわなくっちゃ。


帰りの駅で、ベビーカーの人にとって
エスカレーターがある、というのは
とても重要なことなんだと実感した。
普段、利用したことなんてなかった。
その駅を利用して出掛けられるかどうか、
を決定するのにクリティカルな要素。
ユニバーサルデザイン、とか言う、
聞こえのいい言葉だけじゃなくって、
ちゃんと内実を知らないとだめだなあ。


また、ちょうど歩けるようになったくらいの
よその子を見て、この子もすぐにあんな風に
よちよち自分の足で歩けるようになって、
どんどん大きくなって行くんだろうな。
これからを想像すると、すごーく楽しみ。
純粋で無垢というのもそうなんだけど、
生命力のかたまりといった感じがして、
抱きかかえるととっても温かかった。