聴く、歩く、しゃべる

朝9時からの授業に出てみる。
講義室の場所がすぐに分からなくて
ほんの一瞬だけ迷子になってから、
奥にある別の棟の方だと気付いた。
部屋番号の付け方が不親切だな。


はりきりすぎて2、30分早く着いて、
まだ部屋の鍵も開いていなかった。
人もぱらぱらしか来ていないし、
人気のない講義なのかと思ったけれど、
時間が近付くにつれどんどん集まりだし、
最後には、立ち見の人で大賑わい。
これが必修科目の専攻があるらしい。
気にならない人は床に座ってください、
と先生が言っていた。


Cognitive Sciences は、英語表記で
複数形になっているのがミソで、
学際領域なのだと言うことだった。
でもこの授業では、認知心理学
焦点を当てるらしい。
ちょうど一番知りたいところでよかった。


内容はともかく、資料プリントの
ところどころが穴埋め式になっていたり、
スライドで重要な場面で効果音がついたり、
この先生なりに、認知科学の知見を活かした
授業形態がこれなんだろうか?(笑)


各スライドの左上と右上にちっちゃく
ペンローズ三角形が描いてあったり、
一番最初のスライドで、スパイダーマン
パラパラを踊ってる動画を見せたり、
なんだかビミョウで、変な先生だった。
よく分からないこのもやもやで印象付けて、
知識を定着させようという魂胆かもしれない。
基本的なところを説明してくれそうなので、
それなりにためになりそうだからいいか。


次の授業は、30分も待たせておいて、
ちょっと派手めの秘書だか事務員だか
ジーンズにボタンがたくさんついてた)
助手さん?には見えなかったけれど、
先生がいらっしゃれなくなったので、
と言いに来て休講になってしまった。


早めに終わったので、お昼を何人かで
四川屋台に坦々面を食べに行った。
久しぶりで、辛さはふつうにして、
なぜか勢い、ご飯大盛りにしてしまった。
でも、ここの大盛りは大したことない。
お漬物を乗せたり、口が辛くなったら
頬張って中和したりに使えるし。


今まで食べた中で一番印象深いのは何か、
という話になって、すぐには思い出せず。
スターフルーツは形が変わっていたとか、
ドラゴンフルーツは見た目がきれいとか、
蚕の蛹を揚げたのが日本でも食べられるとか、
エスカルゴやカエルが美味しいとかとか。


そう言えば、ワールド・コカコーラで飲んだ、
Bitter Aperitifというイタリアの飲み物が
みんなはまずいまずいと言っていたんだけど、
苦いだけでなく形容しがたい妙ちくりんな味、
また飲んでみたいと思ってそう言ってみた。
いや、ぜひ飲んでみたいと言うのならば、
イタリアのレモンビールというのが
かなり美味しくて気に入ったりしたけど、
どこにも売っているのを見たことがない。


銘々行き先がばらばらだったので別れ、
危うく線を間違えそうになったけれど、
飛び降りたらなんとか乗り換えられて、
僕は南北線で本郷に行くことにした。
後楽園の乗り換えが、やたらに遠くて
下りたり上ったりくねくね曲がったり、
ひと駅分くらい歩かされた気分。


時間があったので、途中にあった
ケータイショップに立ち寄って、
最近の新機種をくまなく観察。
不必要な機能を削ってくれれば、
そろそろ買い換えてもいいのに。
もう少しだけ待ってみるか。
そうやって先に延ばし続けて、
早6年目。ちょっと長すぎる。


講義室が13階にあって、ものすごく
見晴らしがよかったので遠くを眺めた。
近くにドームや遊園地が見えるし、
遠くには新宿副都心なども臨める。
真下を見下ろすと、あんまり高くて
ちょっと足元がそわそわした。


Local computationとSystem dynamics
の相互を見ないといけないと。
Multi-voxel pattern analysis (MVPA)と
Functional connectivity analysis
を組み合わせる方法などを紹介していた。


塗り絵の脳科学(Modern Phrenology)や、
よーいどんの脳科学(領野Aが発火すると、
次にBが発火して、Bが発火すると今度は
Cが発火して・・・、みたいなリレー的な描像)
だけではだめで、複雑にからみあった
Dynamicsを見ないとだめなんだけど、
悲しいかな、今のところは、
それって、なんのこっちゃ、という状態。

We cannot see without backward signals.

というのが興味深かった。
V1からのsensoryな入力だけでは見えなくて、
前頭葉(?)の方からのintensionがあって
始めてものが見えるんだ、ということを
うちのボスもことあるごとに言ってるっけ。


今日の担当の人は、前頭葉関連について
最近ブルーバックスから本を出したらしい。
そのうち読んでみよう。というか、
本屋で軽く立ち読みしただけなので、
今度もうすこしまじめに読んでみよう。


終わってから、みんなで春日まで歩いて、
三田線で研究所に向かうことになった。
それで、なぜだか分からないけれど、
途中下車して歩くとしたら、どこからが
一番近いかという話の流れになって、
じゃあ実際に歩いてみようという風に。
それで、野澤と一緒に白金台で下りて、
歩きながらいろいろ話せて楽しかった。


今日の人って関西弁だったよね。
あれって京都弁?と聞かれたので、
そう言われてみれば、そうかも。
でもあんまり自信ないなあと。
今思えば、やわらかめの大阪弁
だったような気もしてきたし。


子どもの頃、10年くらい神戸にいて、
そのときは確実に神戸弁をしゃべってた
はずだけど、それが思い出せなくて。
自分はどんな風にしゃべってたんだろう。


大阪・京都・神戸では微妙に違って、
たとえば、動詞「来ない」の変化が、

  • けぇへん、けーへん → 大阪
  • きぃひん、きーへん → 京都
  • こぉへん、こーへん → 神戸

という風に違っているとかよく聞く。


確かに、どれかと言われれば、
大阪出身の友達はけぇへんと言ってたけど、
自分はと言えば、こぉへんが一番
しっくりくるような気がするので、
まったく消えてしまったわけじゃない。
じゃあ、封印されているのかな・・・。


歩きながら線路が見えたので、

山手線の内側から見て、動径方向を
y軸の正の向きになるように座標を取ると、
山手線の線路のカーブの仕方が、
グローバルには上に凸であるはずだが、
ローカルには必ずしも上に凸ではない。

ということを、頭の中では理解しても、
間違えて山手線の輪の外に出ようとしたり、
何度か自分の方向感覚がおかしくて笑えた。
違う駅で降りて一人で歩かなくて正解。


研究所の手前でボスとすれ違って、
かろうじて挨拶だけはできた。
それで用事は済んでしまったけれど。
せっかくなので中に入って、
喉が渇いたので、机の上にあった
カロリーメイトの飲料を、
はい、これreward、と言いながら、
歩いて来た二人でこくこく飲んだ。
カフェオレを豆乳で作ったような
ちょっと不思議な味がした。


先輩たちといろいろ議論できて、
いいこと悪いこと両方ひっくるめて
たくさんのことが見えてきた。
でも、解決すべき課題は多すぎる。


電車を7線も乗り継いで移動して、
それ以上にたくさん歩いた日だった。
いろいろ詰め込まれる一日になりそうで、
これからの火曜日が楽しみかも。