のんきでいられないSnow Days

講演会に行った。新型インフルエンザやバイオテロにどう対処するか?
みたいなタイトルだった。グラフ理論とかスモールワールド性とかを
がしがし使った話を期待したけど、どうもそうではなかったらしい。
陽に出てこなかっただけで、モデルの裏に隠れてただけではあるけど。


インフルエンザと一口に言っても、
大きく分類すると、A型、B型、C型に分かれて、
世界的なpandemicになって猛威をふるうのはA型。
B型やC型は遺伝子が安定なので免疫が持続するため
大流行にはなりにくい。


A型はさらに細かい分類があって、亜型とか呼ぶらしいけど、
H*N※型という風に記述される。
(HはHaemagglutinin、NはNeuraminidaseの頭文字。)
ここで、*は1〜15、※は1〜9の数字を取るので、
全部で135種類の亜型が存在することになる。
とその先生はおっしゃっていたけど、いまWikipedia見たら
*は1〜16まで見つかってると書いてあるではないか。
資料古かったのかな。てことは、151種類ってことか。


インフルエンザは主にカモなどの鳥を宿主として、
宿主には基本的に害を及ぼさないんだけど、それが他の
動物種に感染すると、発症することがあるらしい。
感染するのは、ヒト、鳥、豚、馬、ミンク、アザラシ、
クジラなどいろいろな動物が知られている。


えっ、ちょっと待って。クジラ!?


Q: クジラっていったいどこで感染するの?
A: それは私も知りたいとこなんです。どこなんでしょうね。



って、先生たのみますよ〜。専門家でしょうが。


ちなみに、クジラに感染するインフルエンザは
H1N1H13N9だそうです。って、もういいよ別に。


で、ワクチンとかでよく聞くことがあるところで、
ソ連型はH1N1、A香港型はH3N2。それから、
鳥インフルエンザはH5N1なんだそうだ。(だから何?)


で、素人な疑問としては、そんなに亜型が
いっぱいあるんだったら、予防接種って
どれくらい意味あるんだろう?っていうところ。
もちろん、複数の流行を予想して何種類か混合は
してるんだろうけど。もちろんハズれる場合も。
そもそも、今まで存在しなかった新型だったら
対応できるわけがないし。


というわけで、たとえば鳥インフルエンザみたいな
新型インフルエンザだと、発生する前は未知だったわけで
当然ワクチンも存在しなかったので、予防接種できない!
というのが問題らしい。そりゃあ、そうだろう。
で、ウイルスが見つかってからワクチンが製造されるように
なるまでに半年くらいかかるので、大流行してからだと
間に合わないっていうことでもある。うーん大変だ。


なので、起こったときを想定してシミュレートして、
有効な対策を考えておこう、というところが
演者の先生の専門らしい。なるほどね。
地域封鎖とか学級封鎖、公共交通のストップ、
Targeted Antiviral Prophylaxis, TAPの有用性の評価。
TAPっていうのは、一人でも患者が見つかった施設(建物とか)
の全員にとりあえず薬を飲ませる、という応急処置らしい。
陽性検査とかしてる時間を待たない安全策なのかな。


インフルエンザの歴史的経緯とかの説明が長すぎて、
肝心のシミュレーションや対策の話がはしょられて、
おいおいって感じのまとめになってたけど。
説明する時間はもうないんですが、TAPは効果的
ということが証明されてるんだって。そうなの?


で、いろいろ協調されてたのは、日本の対策は遅れてる。
アメリカでは、感染症とかで地域封鎖とか外出禁止、
になるのを"Snow Days"と呼んだりするらしい。つまり、
ちょっとひどい雪の日で何日か外出できなくても
仕方ないよね、という感覚と同じだと理解されてると。
まあ、そんな日が続いたら雪の日の憂鬱どころじゃないけど。


都市工学的な手法を使って、感染経路を推定するとか、
その辺は、最近流行りのCSIとかRe:Genesisみたいな
科学ドラマと同じだなと勝手な感想を持ってしまった。
もちろん話は逆で、実際に使われてる手法とかを
援用してリアルっぽく見せかけてるんだから当然か。
違いは、ドラマは安心して解決するまで見てられるけど、
もし万一現実に起きたら、まったく別次元の話だよね。


あと、日本人の文化特性とでも言うべきか、顕著なのは、
たいていの人が、何かに感染したりしたとしても最初は
軽い風邪か何かだろうと思って、市販の薬を飲んだりして、
その程度だと学校や会社を休まないので、結果的に
電車の中や出掛けた先で病原をまき散らすことになって
被害が拡大することが往々にしてあるということ。
毎冬のインフルエンザの流行とか、多分にそういう要素が
あったんだなと。勤勉さがあだになることもある。


なんかやばそうかも、と少しでも思ったら無理せずに
自宅で静養とかすぐ病院行くとか、それがゆくゆくは
自分のためだけじゃなくて、周りにとっても助かる場合
があるということをきっと頭に入れておく必要がある。


こういうのは、医療制度とかにも依るわけだけど、
お国柄がかなり反映されるというのが興味深い。


もっと面白い話がいろいろあったんだけど、
内輪話っぽかったので、なんかここに書いちゃ
いけないんだろうと思ってしぶしぶ自粛しよ。
というか、怖すぎて書けない。ぶるぶる。