Mono-monostatic

V. I. Arnold's conjectureによれば、4個以下の平衡点を持つ
凸で一様な物体(mono-monostatic bodies)が存在する。


という予想が数学的には知られていたが、
ひとつの安定平衡点とひとつの不安定平衡点を持つ物体が
実際に見つかった(構成された)のは2006年だった(Refs: (1), (2), (3))。



どのように置いてもひとつの安定平衡点に収束するだけなら、
単なる起き上がりこぼしでいいじゃないかというだけなのだけれど、
「一様な物体」なので、おもりを使ったりして重心を上にずらしたり
というズルができないところがポイントであり、難しさである。

Monostatic bodies are rare in nature: systematic
experiments with 2000 pebbles identified no such object.


その前に、この人達(この人この人)は自然界の2000個の石を調べたけど
そう言うモノは見つからなかったんだって。
なんかこのゆるさがたまらなく好き。


その物体、GömböcについてはWikipediaWired Visionに詳しいが、
その形が何に似ていたかと言えば、亀の甲羅にそっくりだと言う。
もし甲羅がひっくり返っても効率的に起き上がれるように
適応した結果、mono-monostaticに近い形に収斂したのではないか、
という筋書きはわかりやす(すぎやしな)い(?)かもしれない。
(もう少し詳しくは、亀の甲羅は3通りに分類されるらしい。)



理論的に予想された形と自然の造形が一致してた、
というのは(もし本当だったら)すごいかも。



natureとか
いろいろなメディアで評判になったりしてたみたい。


ひとつ1000ユーロくらいで売ってるらしい。
実物の動きを間近に見てみたい気もするけれど、
頭の中でシミュレーションして動かしてるだけでも
だんだんイメージができてきてて、やっぱりすごい。
よく考える前は作るのはいとも簡単そうなのに、
しっかり頭を絞らないと全然出て来なくって、
でもちゃんとすっきり解けるのって気持ちいい。


倒しても自分で起き上がるかたまりというのは、
それが意志を持ってるとか変なことは考えずに、
その途方もなく、ただそれだけであることのみで
どうでもよいころころが素直なこころに寄り添う。