もちつけオレ、大人への道

気になる論文があったけど大学に所蔵してなかったので、
文献複写依頼を出そうかと思ったら、期限切れだった。
年度毎に申請を更新しないといけない上に、副指導教官の
サインとはんこが必要なのでなかなか重い腰が上がらない。
ようやく意を決して、ドアをノックして、ついでに
相手もノックアウトして、みたりするわけはもちろんなくて、
おだやかににこやかに焦らず急がず友好関係を装った。


前回、つまり一年前は、20桁もの管理番号だかを
書かされるというので、このシステムはどうかしてる、
もし書き写し損じたらどうするんだと憤慨してらした。
しかし、今年はシステムがすこし変わったのか、
更新の場合は再度20桁を書く必要が無くなったので
システムの進歩を評価されていたようだ。どうでもいい。
それで気をよくされたのか、さあて、それじゃあ
研究の議論でもしようか? と宣戦布告されたので、
待ってましたとばかりに受けて立つ、はずもなくて、
えっと、まあそれは、またおいおい、今度にしましょう、
とこちらもにこにこ、恭しく、おもむろに退出した。


あやうく、血みどろの戦いになるところだった(うそ)。


でも、軽く受け流せるようになっただけでも、
少しは自分も成長したかもしれないと思う。
以前は、ちょっとのことで臨戦態勢に入って
激昂してまくし立ててしまったりしたものだ。
そういう大人げない対応はもうやめにしよう。
他の人と付き合うふだんは冷静でなくてもいいから、
こういうときこそ、落ち着いていることが肝要。
いきなり噛みつかれたらこちらも不愉快だから。
かと言って、こちらからしたら実に些細で
取るに足らないようなことに拘泥されて、
向こうの論理に合わせなきゃいけないなんて
ああだめだ、思い出すだけで腸が煮えくりかえる
というのも嫌なので、あくまでドライに。


待ってろよ、次回はちゃんと準備してって
「バトル」を展開してあげるからさ(すごくイヤ)。


ちなみに、「バトル」という用語は
僕の言葉ではなく、相手の使った言葉の引用。
科学者はそういう言い方をしちゃいけないんだよ。
熱くなっちゃだめなんだよ、と言ってあげたい。
いつも言葉尻ばかりとらえる相手だからこそ。


まあいいや。申請書にサインとはんこをもらえたので、
後で出しに行こうと思って帰り際に図書館に寄ったら、
受付に人がいるのに、17時を過ぎたから受け取れません。
ばかやろう。なにお役所仕事やってんだよ、おいこら。
だいたい、17時までに提出しろだなんてどこにも
書いてないじゃないか。血眼で調べたけど書いてない。
腹が立ったのでいちゃもんをつけようかと考えたけど、
それもやっぱり大人げないので我慢してしまった。
あーなんでなんで自分はこんなに大人なんだろう。


なんだよ。もういいよ。相手にするのも面倒くさい。
でも内心憤慨してる時点で、修行が足りないな。


まあいいや。最近、まあいいやが多いけどまあいいや。


てなわけで読みたい論文が遠くなってしまった
かと思ったけれど、思い直して、別の方法で。
著者にメールを出して論文を送ってもらえないかと
交渉したら、あっさり親切に聞き入れて下さった。
興味を持ってくれる読者がいるとうれしいらしい。
それに、ふだんならほとんどうかがい知れない
この論文を書いた人がどんな人でどんな人柄で、
ということがメールの短い文章にもにじみ出てくる
感じがするので、そういうのもなかなかいいもんだ。
そういう、この人となら関わりたいなと思われる
ような人であろうとするのがあるべき姿勢だよね。
そういう態度をして真に大人たりうるのだろう。
と言う意味で、自分はまだまだお子ちゃま止まり。
だって、キャベツ太郎にはしゃいでるくらいだし。


送ってもらったの、いい論文だった。