いつもリズムを口ずさんでた

ブジャキを読み終わった。


最後の節はみんなで一文一文噛みしめつつ
代わり番こに大切に訳しながら読み進んだ。
脚注の小さい文字まできちんと読んだ。


フィナーレを迎えるころまでにはたしかに
ブジャキのリズムに引き込(entrainment)まれ、
精巧な踊り(choreography)に魅せられ、
もうこれしかないと思い込んでも悔いはない
というくらい、のめり込まされる本だった。
科学においても信念の強さは大事なんだ。


ひとつの儀式が済んだような気がする。


ちょっとさびしい感じすらする。
これに続くお話の空白を埋めるには
誰かがやるのを待つのもいいけれど、
自分たちでやるのが手っ取り早い。
手間と暇と情熱さえあれば、何でも。

ほら、若いの。夢を見るのはやめろ。
科学は雲の上の哲学ではないぞ。
人間のやることで、他のことと同じように
ややこしくて問題だらけだ。科学には
これだけという単独の方法などないし、
誰が良い科学者かを決めるための
一個の基準があるわけでもない。
良い科学とは、歴史の個々の時点で
われわれの知識を進める仕事なら何でもいい。
それから進歩をどう定義するかなどと言って
困らせないでくれーー好きなように
定義すればいいし、それでも正しいのだ

「もちろん学問の世界はきついし、
それをどうこうすることもできません。
でも心配することはありませんよ。
したいことをするだけです。
自分がしたいことがわかっていて、
そのことを言っていれば、
誰もわざわざそれを止めようとは
しませんから。」

ポール・ファイヤアーベント