数字は独身に限るが親子三代パズルを解く

新聞に載っていた数独が激辛だったので苦戦を強いられた。
目や手が慣れていないだけかもしれないけれど手強かった。


最近、母親が新聞に載っているパズルを解くようになり始めて、
分からなくなると相談される。昨日の言い分はこうだった、
「あなた(実際の発音はあんたに近い)、大学院まで行ったんだから
これくらい簡単に解けるんでしょ。早くヒントを教えなさいよ」
とせがまれても解けないものは解けないってば。無茶難題である。


新聞に掲載されたパズルを毎回必ず解いていたのはお祖母ちゃんで、
母はパズルなんてやらないし興味もないとずっと思っていたけれど、
解けないと夜も眠れなくなると言う。血は争えないものかもしれない。


僕は数独が苦手で、詰まるとだんだん絶望的な気分になってきて
すぐに投げ出してしまうので今まであまり取り組んでこなかった。
でも、その問題はニコリが提供しているから良い問題のはずで、
つまり、理詰めで必ず解けると信じられるし、仮定を使って
無理矢理解くのは邪道だから、絶対に仮定は使わないと誓う。


かなり時間がかかって、それまで見落としていた決まり方を
やっと再発見(思い出)して、状況を打開できた。
その後も何度か行き詰まったけれど、もう大丈夫だった。
別の紙に写して解いていた僕の方が先に解けたので
新聞にボールペンで書き込んでいる母を次は手伝った。


解けるとうれしいのは誰でも同じようで、二人で妙にすっきりした。
あの問題、解けたかどうか後で母(僕にとっての祖母)に電話して
聞いてみようかしら、と母はうれしそうに台所に消えていった。