ググられないどこか遠くの場所へ

もうそろそろなんじゃないかとうっすら思い出したので
急いで調べたらやっぱりそうだった。


新しい検索エンジンWolfram Alphaが公開されていた。
http://www.wolframalpha.com/


いろいろ前評判が高かったのでどんなものか楽しみだった。
実際に公開されたものをいじってみた評判も賛否両論みたい。
日本語で書かれたレビュー(ググって1ページ目に出たの)に
ざっと目を通してみた。位置付けがなんとなくわかる。


それより、自分でいろいろクエリーを入れて遊んでみると
指向性(志向性?)がGoogleと全然ちがうのでおもしろい。
知識を教えてくれようとするけど大抵は失敗していて、
特に質問の意味が分からないときにはギャグかと思うような
答えを返してくれて、人工知能っぽい感じがぷんぷんしつつ
この返答はウケ狙いなんじゃないかというところがちょっと
向こうで人工知能のふりした誰かが笑ってる感じがする。


Mathematicaを考案した人だけあって数学の計算は得意らしい。
微分積分もできるから、そういう用途でならGoogleを凌ぐかも。
あとは、今のところ、雑学クイズの答えを知りたいときとか。
表やグラフで結果を表示してくれたりするのも親切だ。


いろんな人が、2001年宇宙の旅に出てくるというHAL 9000を
作りたかったんじゃないかと言っていたけれど、たぶんそう。
どんなウェブページが存在するか教えてくれるわけではないので、
ふつうの意味での検索エンジンとは呼べないし全く違う代物。
というより、今までの検索エンジンが目指さなかった方向で、
いずれはこういうのを検索エンジンと呼ぶ時代が来るのかな。
当分来ないとは思うけど、試行錯誤してみるのは悪くない。


すこし前に一部で話題になった新しい検索エンジンDeepDyve
http://www.deepdyve.com/
は、ゲノミクスの手法を検索に応用して、
Googleがたどれなかったディープ・ウェブに到達する
という触れ込みだった。(日本語版でググった結果。)
最近、Apple共同創業者のSteve Wozniakが顧問になった。
好奇心旺盛で面白いもの好きな人だから引き受けたのかな。


どんなに長いクエリーでも、極端なこと論文本文まるごとを
検索窓に入れても、ゲノム配列解析アルゴリズムを使って
関連するマイナーなページでも掘り起こせると謳ってた。
まちがいなく面白い発想なのだけれど、そうやることで
見つけ出せる情報って何なんだろう。つまり、Google
PageRankだとランク外にこぼれ落ちるものの中にあって
この方法だとどうにかたどり着けるものがあったとして、
現にあるのかもしれないけれど、それって何だろう?


なんでもググればこと足りると考えるのは楽だけれど、
だからと言って他の方法が上手く行かないとは限らない。
Walfram AlphaにしろDeepDyveにしろその他大勢も含めて
どうせやるなら、

こういうことってググってもできなかったんだよね

ということができるようになったらすごいと思う。
Googleが世界を見渡してると思い込んでいたけれど、
彼らが無視していたり、見通せなかった所に違う方法で
連れてってくれるものが現れるのを待ちこがれつつ。