Extraordinaryを志向して
誰かの言葉が失われないように記録する人は偉大だ。
ニーチェが文献学者だっただけでも、文献学者は偉大だ。
発狂しないで生きることのいかに辛きことよ。
ハビタブル・ゾーン、と独り言のように呟いてみる。
妙な響きを持つ言葉だと思った。
「何だろう、人並み、みたいな」
「人並み?」
「そう。人並みに生きていける領域、って感じがします。」
生田沙代『たとえば、世界が無数にあるとして』
「おやすみ。」と鼠は言った。
「おやすみ。」とジェイが言った。「ねえ、誰かが言ったよ。
ゆっくり歩け、そしてたっぷり水を飲めってね。」
地面を見ると、死んだ蝶々や、ちぎれた羽が、
点々と色とりどりに落ちている。
下に落ちればゴミだ。
「花の蜜のような儚いものしか食べないから、
そんなキレイな色になって、短く死んでしまうのよ」
と、私は踏んで帰った。
山崎ナオコーラ『ラマラマ』
平凡であることを厭うひとびとに幸いあれ。