ああ、僕の魂よ

ここ毎日、朝4時とか5時に目が覚める。
ちょっと早すぎるし、いくらなんでもまだ寝てないと
とその後なんとか布団の中でいくらかねばってみて
さすがにもう起きようと思ってシャワーを浴びる。


なんでこんなに早起きで健康的なのか不思議である。


そう思っていたわけだけれど、研究所に顔を出したら、
よく似た現象に遭遇しているという後輩にすかさず、
それは時差ぼけですよ、と指摘されてみて合点した。
そうか、体内時計がまだ元に戻ってないだけなんだな。


殊勝にも午前中に行ったら閑散としていてやや寂しい。
同じく時差ぼけの友の後輩と今後の展望など語り合う。
早く先輩たち来ないかな、と思いながら待ち焦がれる。
来たらひとりひとりにお土産なんかを手渡してみる。


お昼を過ぎると、だんだん眠くなってくる。
我が身曰く、もうそろそろ夜なんじゃないすか、と。
しかし、ここで安易に耳を傾けるわけにはいかぬ。


ぼうっとしながら論文をぱらぱら見ていたらいきなり、
ある種、強烈な文字列が目に飛び込んできて目が覚めた。


Athinoula


あしのうら


なぬっ、足の裏とな!?


自分の眼がくもっているせいやもしれぬと危惧し、
念のため、隣の後輩(研究の邪魔をして誠に相済まぬ)に
確認してみたところ、"th"だから舌先を歯の間に軽く当てて
θの発音なんじゃないですか?だから、あθィのーらでは?


いや、でもそれでも、あすぃのぅらだから、
ほら、あしのうらにも聞こえるよね。
やっぱり、足の裏だよ。なんておかしいんだ!


という実にくだらないことでしばらく笑いにはまる(爆)。
時差ぼけのときは、おそろしいことに笑いのツボまで
ズレているのかもしれない。おお、くわばら、くわばら。
いつもは全くウケないギャグが通じてしまったときは、
もしかしたらその相手は時差ぼけかもしれない。


最後にちょっとだけまじめな話を。なんでも、
時差ぼけで狂うのはレム睡眠のサイクルであって、
ノンレム睡眠の方は影響を受けないらしい。本当?
それぞれのリズムにちがう脳部位が関与していて、
具体的な場所とかまでは聞かなかったんだけれど、
夢を見ているレム睡眠の方が時差に順応できない
ということなのかな。宿代の清算などのために
わざわざ出向いてくれた先輩に教えてもらった。
もし本当なら夢に変調を来したりしないのかな。


ちなみに、時差ぼけを直すのに一番いい方法は、
メラトニンを飲むことじゃないか、とその先輩の
周りにいらっしゃるお医者様方はおっしゃるらしい。
しかもふつうの薬局で市販されてるんだそうな。


でも、治さなくても意外とおもしろいので、
しばらくこのままでいてもいい気がしている。
こんなに長く続くのは本当にめずらしい。


僕の魂よ、遙かシカゴの地をまだ観光してるのかい。