もんじゃだけじゃなくてお台場ナイトクルーズもだった

提灯のともったのが並んだ道を歩いて下り、
もんじゃ屋形船というのに初めて乗った。
乗ってしばらくしたらもんじゃ焼き屋さんが
火をつけに来てくれて、鉄板が温かくなる。


そうしたら、通り道の反対側の方ではピーピー
ピーピー音が鳴り始めてガスのにおいもするので、
ガス漏れだというのでみんなあわてて窓を開けた。
お店の人が小さなメニューの載ったぺらぺらしたの
かなにか手に持っていたのでぱたぱた扇ぎ始めたので、
そんな焼け石に水みたいなので意味があるのかという
疑問をまわりのほとんどの人が思っている風を感じて、
その行為に対して、ちゃんと消してガスを検知しなく
なるまでしばらくしないと再びつかないんですよ
とかなんとか、とりあえず仕組みを説明していた。


やっと火がついて、お店の人も一安心して戻って
行ったら、今度はそのすぐ隣でまた鳴り始めた。
二回目だから、ああさっきのをまた繰り返すんだな
と驚きもせずに、大したことじゃないと見過ごした。


水門を通り抜けて、しばらく水面をすべるように走って、
レインボーブリッジの下をくぐり、お台場に到着した。
フジテレビの直方体に球がめり込んだような形のビルの
近くまで行って、その後近辺の同じ所を周遊し始めた。
夜景がきれいだけれど、鉄板の方でもんじゃの土手が
崩れないように気をつけたり、湯気か煙がもうもうと
立ちこめると窓も曇るし、外を見る余裕があまりない。
換気のためにすこしずつ窓を開けておくように指示
があって、気持ち開けつつもスピードが出ていた
さっきは風がわりとあったし寒いので遠慮したけれど、
ゆっくりほとんど停まったようなくらいの動きだと
窓を全開にしてできるだけ夜景が見えるようにした。
正座してたら足がしびれて、後半は足を伸ばした。


各自に小さなヘラがあり、鉄板に大きなヘラがあって、
大きなヘラを鉄板の縁に置いていたら熱くなってくる。
その後、通りかかったお店の人が、熱風の吹き出し口が
あるのでその一辺にはヘラを置かないようにしてください、
とわざわざ指摘してくれたのに、置いてはいけない辺
でなくても、後になって熱くなったら小さく火傷した。
冷たい缶を握るようにして冷やしたら気持ちよかった。


食べ放題なので、いろんな種類のもんじゃやお好み焼き、
焼きそばを順番に試して、どれもかなり美味しかった。
飲み放題の方は、空いた缶と交換にあたらしいのを
もらえるので、注文してからお店の人が次の缶を持って
近づいてくるのが見えたら、飲み干して準備しておいた。
でも、最後の方は適当になって、空き缶が手元にあった。
デザートのバナナクリームもんじゃだけは、お店の人が
バターをひいて手際よくバナナをカッティングして、
そこにクリームをいれてもんじゃ焼きを作ってくれて、
クレープが全体的に温かくて、しかもクレープの皮は
そこまで固まってなくてゆるく絡まってるみたいな
新しい食感の食べ物で、甘くて絶妙なお味だった。


2時間くらいというのは長いんじゃないかと思ったのに、
気がついたらラストオーダーの時間が過ぎ、火が落とされ、
鉄板が空になり、最後の飲み物もちびちび減っていった。
船尾のお手洗いに行った帰りに屋根の上をひょいと覗いたら
平らな屋根にあってそこだけ上半身分くらいの高さの箱が
飛び出た中に船長さんが前を向いて操舵してるのが見えた。
船は勝手に進んでいるのではなく、ずっと舵をきって
このコースに船を導いてくれていたことに感謝した。


お腹いっぱいになって、乗ってすぐのときには、
お酒が進むとかなり船に酔いやすくなるので
ペース配分を考えるようにと脅しみたいなことも
聞いたけれど、そして、酔い止めの薬があるので
欲しい人は言うようにという配慮までされている、
と伝えられていたけれど、ふたを開けたら酔い止め薬は
やっぱりなかったみたいですという店員の言葉があり、
あったけどなくなっていたのか、ないけどあると
言うととりあえず飲まなくても安心するからなのか、
無茶な速度で飲む人を牽制していただけかもしれず、
海の状態にもよるだろうけれど、ちっとも船酔いも
しなかったし、大丈夫だし、お腹いっぱいになった。


熱々のもんじゃにちょっと冷たく心地よい潮風、
美味しい時間は、あっという間に過ぎてしまう。