なるほど階段の途中にという手があったか

はや研究会も3日目、朝早く起きて会場に向かう。
昨日はダイヤを検索したら九段下乗り換えの方が
最短時間で行けるとの検索結果を鵜呑みにして
違う線で来たら、出口が正反対の北西にあって
結局遠回りになって苦々しい思いをしたので、
今日は1日目と同じく、乗り換え駅に長い長い
これでもかというくらい延々続くエスカレーターの
ある永田町駅を経由して、つまり、より地下深くを
通る地下鉄を使って移動したということになる。
外に出たら小雨が降っていたので、傘を広げた。


休憩時間に飲み物を買おうとエレベーターで1階に降りて、
帰り路は階段を歩いていたら、3階と4階の中間地点で
幅のある手すりがちょうど折れ曲がる場所の上のところに
洗濯物が広げて干してあって、一瞬、自分の目を疑った。
干してあると言うより、ハンガーやひもに吊すのでなく
ただぐにゃりと広げて無造作に置いてあるだけなれど、
見てはならぬを見てしまったような底知れぬ緊張感が走り、
しかし、気になってもう一度そっと目をやってみても
このような形で干してある場面に初めて遭遇するけれど、
脱ぎうち捨てられたという可能性を見いだすよりも、
やはり、洗濯物を乾かしているとしか呼びようのない
状況が想定され、引き続き、ではそれはいったい誰が?
との疑問がふつふつとわき上がり、こんな奇特なことをする
人が来ているからには、この研究会はただならぬものだ
との認識を新たに確認し、ある種の畏敬の念を抱いた。


お昼に、入ろうとするお店がことごとく何らかの事情で
改装中であったり、営業中でなかったり、カレー屋さんの
看板に灯りがついているにもかかわらず、なぜか昼間は
パソコン教室だったりと閉まっていて店探しに難儀した。
何軒目かのカレー屋でようやく中に入れることがわかり、
ランチセットをみんな頼んだ。AからGまでの中から
二種類のカレーを選べるというので、6人くらいいて
全員が違う組み合わせのカレーを選んで顔を見合わせた。
ナンが大きくて、ライスもいい感じで、ナンとライスは
おかわり自由だったので、他の人が頼んでいるのを聞くと
心が揺らいだものの、追加せずともこれでお腹いっぱい
になりそうだという確信が持てたので、目の前にある分で
がつがつ量を増やさなくても、満足できて美味しかった。


歩いて階段で戻ろうとしてさっきの場所を通りかかったら、
郡司さんが洗濯物を取り込んでたたんでいるのに遭遇した。
思わず感動して、ああ、これ郡司さんが干されていたもの
だったんですね、とうっかりつい口に出してしまったら、
ええそうなんです、とはにかみながら優しい声でお答えに。
外は雨が降っていて外に出るドアにも鍵がかかっていたので、
階段での室内干しで生乾きでなければいいのになと願った。