2007-12-30から1日間の記事一覧

ガールズファイル

柴崎友香の最新作である。前半はノンフィクション。 27人のはたらく女の子たちの報告書と副題にある通り、 インタビューで聞き出したお話をまとめたもの。 さまざまな職種の20〜30代の女の子たちの生の声。 恋からをもっとまじめにした感じとでも言うか。 Ha…

青色讃歌

文藝賞受賞作のもうひとつの方。 フリーターのしがない日々のつれづれ独白。 どちらかと言えば好きな文体に近いけれど、 まだまだこれからに期待したいところ。 ところどころ光るところがあったかもしれない。 傷口に石を押しあてる場面とか、ぞくっとした。…

肝心の子供

今年の文藝賞受賞作のひとつ。 ブッダにはラーフラ、束縛という名前の 息子がいた。 と始まる親子三代の偽史小説。 読む側の力量が問われるとは保坂和志の評。 そんなにすごいのかまだよくわからなかった。 それを認めるには時期尚早だと思ってしまった。 四…

バラ色の怪物

笹生陽子と笙野頼子をごっちゃにしていたことに 最近やっと気が付いた。 『ぼくは悪党になりたい』とか『楽園のつくりかた』や タイトルの作品はすべて前者の作品だったのだけれど、 全部後者の作家の作品だと思い込んでいた。 笹が生まれると竹が生まれるは…

存在の耐えられない軽さ

クンデラという作家は前々から気になっていた。 実際のところ、このタイトルに惹かれていた。 ずっと以前に一度図書館で借りたことがあったけど、 そのときは読まずにそっと返したような気がする。 ドンファンのトマーシュと妻のテレザ、愛人サビナ、 彼らを…

1973年のピンボール

村上春樹の初期三部作の中の第二作ということらしい。 鼠と呼ばれる青年と「僕」が主な登場人物の作品群。 僕は双子の女の子2人と暮らしている。 あんまりそっくりなので、区別がつかなくて困る。 右と左、どうと呼んでも大差ないのかも。 208、209と…

わたしたちに許された特別な時間の終わり

http://www.shinchosha.co.jp/books/html/304051.html 立ち読みしてみるべし。 5ページ分にもみたないくらいしかまだ読んでないけど、 こういう志向性がやけにしっくりくるのでおどろいた。 だらだら書いてるだけで大ッキライという人もたぶんいて、 そう感…

時間が流れる

言葉に託しすぎるのもいけないけれど、 言外のままいつか消えるよりかは。 読書の記録のいくつかを書いておく。